学校での恒例の自己紹介
寺小屋塾長の久本です。
少しタイミングを逸した感がありますが、私が学校の最初の授業で生徒たちにする自己紹介の話をします。
それぞれ先生方の考え方があると思いますが、少なくとも私は、初めてのクラスに行って最初の自己紹介は、1年間そのクラスの生徒たちが、どんな風に自分の授業を受けてくれるかを決定づける、とても大切な場面だと考えています。
なので、ここ数年間私が恒例のようにやっている自己紹介のやり方をお話しします。
まずは、自分の名前を印象付けるために、私の first name「慈光」の読み方や、僧侶として幼名の「正志」から改名したエピソードなどを話します。
そのあと、「では、これから私のプロフィールを話しますが、これは私の自己紹介と、皆さんの聞く力のチェックを兼ねています。後で、ちゃんと聞いてくれていたかどうか、質問をしますので、よく聞いていてくださいね」
と前振りをして、話し始めます。
話す内容は、大学を卒業してすぐに某私立高校に就職し、約10年間、その学校に勤めたこと。そのあといろんな思いがあってその学校を退職し、同時に非常勤講師としてその私立高校も含むいくつかの学校で通算約20年間勤務してきたことを、わざと少し脱線しながら話します。
そしていよいよ質問タイム。いくつかの質問の後で
「では、私は何歳でしょう?」
と質問します。
たいていの場合「そんなの聞いてません」という反応か、「43才」とか「58才」とか、時には「38才」とか、サービス精神満点の答えが返ってきます。
そうです。「そんなの聞いていません」という反応が示す通り、話の中で私は、自分の年齢については一言も触れていません。
実は、この質問の意図は、
「はっきりと一つに決まらない、あるいは正解を教えられていない答えを導きだす力」
が、これから必要とされる学力と言われている という話につなげるための前振りなのです。
つまり、私の話をよく聞いていた生徒は、「私が教師経験約30年の教師」であることをつかむことができます。
ということは、あとは、「一般的に大学を卒業した新採用の先生の年齢は何歳なのか」という一般常識に照らし合わせて計算すれば、私の大体の年齢を類推することができる というわけです。