寺小屋
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寺小屋ブログ

面接対策?

 寺小屋塾長の久本です。

 ここ20年で大学入試も大きく変わりました。最近のトレンドは

「正解のない問題に解を見つける力」

その国の方針にそって、国公立大学でも推薦入試が多く行われるようになりました。それに伴って、各高等学校や塾で「面接対策指導」なるものが行われています。先生方も大変ですね。熱心さには頭が下がります。

 でも、ここで疑問。面接対策指導って、何をするのでしょうか。

 最低限の礼儀作法、受け答えの仕方、言葉遣いなどを、今までそういう場面の経験のない高校生たちに対してやってあげる。あるいは、本番での緊張を少しでも和らげるため、場慣れの練習として、想定場面の予行練習をやってあげる。

とかいう話なら分かります。

でも、例えば「この大学のこの学部の面接で志望動機を聞かれた場合は、こういう答えをするのが適当だ。」とか「合格しやすい」という、受験生の答えの修正を行うのが指導だというなら、本来の目的からすると本末転倒ではないか。と感じるのは私だけでしょうか。

 それって結局「正解探し」じゃないの?

 そんな学校や塾で対策されたような体裁よい回答に満足するような人物が、「正解のない問題に解を見つけられる力」を持った受験生を選考する面接の面接官をしているのでしょうか?

私には、本末転倒、論理矛盾に思えてなりません。

 繰り返しになりますが、先生方の熱心さには敬意を表します。

ただ、かつてうちの塾に、

「面接指導の先生の気に入るような答えをするために、面接対策指導のための対策をしなければならない。」と嘆いていた塾生がいました。

「面接指導の先生に気に入るような答えを作るために、前期日程の二次試験の勉強が手につかない。気に入る答えになるまで、何度でもやり直しをさせられるし、ただ「志望動機が弱い」とか、もっと伝えるべきことがある」とか言われるだけで、どうしたらいいか分からないし、納得するまで帰らせてもらえないし」と泣いた生徒がいました。

指導をする立場の者として、大いに考えさせられます。